“亜人”、“Fate”、“マトリックス”など様々な名作が、実は思考実験を元ネタにした作品であることは知っていましたか?
今回はそんな作品たちと基になった思考実験との関連性についてご紹介していきます!
動画で見たいという方はこちらもぜひ!⤵
思考実験とは?

そもそも思考実験についてよく知らないという方に向け、簡単に説明します。
思考実験とは、実際に検証することが難しい対象(例えば倫理に反するものや概念そのものなど)や、一見おかしな状況を仮定して、さまざまな視点から答えを考えていくような実験のことです。
倫理に反するもので言えば、“トロッコ問題”、“シュレディンガーの猫”などが有名で、聞いたことがあるという方も多いのではと思います。
ありえない・何かおかしいという状況を設定するものでは、“テセウスの船”、“スワンプマン”、“アキレスと亀”などがあり、どれもとても面白い内容になっています。
こちらの記事が参考になるので、気になった方はどうぞ!⤵

思考実験を題材にした作品

思考実験について理解して頂けたところで、「あれ?そういえばこの作品…」と心当たりのある方もいるのではないでしょうか?
思考実験はその性質上、作品に織り込むことで世界観やキャラに深い質感を与えることもできるため、多くの名作が思考実験のメタファーであることが知られています。
それでは早速、思考実験を題材にした作品について、いくつかピックアップしてご紹介していきます!
Fate/zero

“Fate/stay night”シリーズの前日譚にあたる、“Fate/zero”は、物語のテーマ自体がとある思考実験を基にしたものと言われています。
その思考実験こそ、かの有名な“トロッコ問題”です。
「襲い掛かるトロッコを前に究極の2択を迫られる」という残酷な状況を想定する倫理学上の有名な思考実験ですが、どのような内容なのでしょうか。それは以下のようなものです。

『あなたは鉱山で鉱夫として働いています。いつものように作業していると、「暴走したトロッコがそっちに行ったぞ!すぐに逃げろ!」という荒々しい声が聞こえ、凄まじい速度で向かってくるトロッコが見えます。このまま行けばその先で作業している鉱夫は間違いなく死んでしまいます。』
『あなたは手元のレバーで進路を変えることに気付き、進路を変えようとしますが、変更した先でも別の鉱夫が作業しています。あなたはレバーを引きますか?』
この問題の深いところは、鉱夫が「あなたの大切な人」や「犯罪者」だった場合に解答は変化するのかを考えられるところです。
“Fate/zero”では、特に中盤からラストにかけての切嗣の葛藤がこの問題の情景を見事に表しています。
公式トレーラーも載せておくので、気になった方はぜひチェックしてみてください!⤵
亜人

不死身の怪物”亜人”と人間との戦いを描くパニックホラー、「亜人」にもとある思考実験から着想を得る描写があります。
それは、“スワンプマン”という自意識の存在を考える思考実験です。
“スワンプマン”の内容は以下のようになります。

『ある日、山へハイキングに出かけた男が突然の落雷で死んでしまう。その時、全く同じタイミングで近くの沼にも雷が落ちた。すると、落雷と泥が化学反応を起こして、あろうことか死んだ男と全く同じ体を形成した。』
『こうして生まれた”スワンプマン(沼男)”は見かけ上だけでなく、死ぬ直前の男の脳の状態までも完全にコピーしており、スワンプマンは何の疑問も持たずに男が住んでいた家に帰り、妻と会話し、読みかけの本を読み終える。』
『周りの人間はもちろん、スワンプマン自身でさえも己の正体に気付かぬままに生活し、一生を終える。』
「亜人」の作中では、滅びゆく自分と新たに生成される脳、どちらが本当の自分と言えるのかということを考える描写があり、スワンプマンの話をうまく関連付けています。
“スワンプマンだけ”に、どっぷりと沼にハマるような大人気作の名に恥じない漫画なので、気になった方はぜひ一度チェックしてみてください!
マトリックス

子どもの頃、誰もがまねしたあのスローモーションで弾丸を避けるシーンで有名な“マトリックス”も、作品の軸がとある思考実験で構成されています。
それが“水槽の中の脳”という思考実験です!
実験の内容は以下のようになっています。
『ある科学者が人から脳を取り出し、水槽に入った特殊な培養液に漬ける。脳と非常に高性能なコンピュータを繋ぎ、五感を完全に再現した仮想空間で目覚めた脳は、そこが現実であると錯覚する。私たちが生きているこの世界は本当に現実だと言えるのだろうか?』
“マトリックス”の劇中ではこの仮想空間であるという設定を活かし、体術や武術をインストールしたり、コンピュータと人間をの争いの構図をつくったりと、”水槽の中の脳”を引用しつつオリジナルの展開に溶け込ませており、物語に引き込まれるうまい構成になっています。
まだ見たことのない方はもちろん、何度見ても面白い名作なので、これを知ったうえでもう一度見返してみるのもおすすめです!
まとめ
今回は、さまざまな名作と思考実験との関連性を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
初見でなくとも、こうした知識を踏まえて改めて作品を見ると、新たな発見など別の楽しみが見つかるはずですので、ぜひもう一度鑑賞してみてください。それでは!


コメント